インターネット上の詐欺が増えてきました。
詐欺は,犯罪であり,犯罪者は,被害者から金銭を巻き上げてやろうと計画したうえで,行動に及びます。
したがって,いったん詐欺にあってしまった場合には,相手から被害を回復することは,簡単ではありません。
しかも,インターネットを介した犯罪の場合には,相手にたどり着くことすら,それほど簡単ではないのです。
詐欺には遭わないようにする,というのが重要です。
インターネット上の詐欺は,あなた1人をターゲットにしている訳ではないのが特徴です。
不特定多数のターゲットの中から,罠にひっかかる被害者を捜しているのです。
慎重に構えている人に対して,さらにひっかけようとしてくるような類の詐欺は,あまりありません。
詐欺に遭わないようにするためには,どのような手口があるのかを理解しておくと良いでしょう。
▼ 商品を注文して料金を振り込んだにもかかわらず,売り主からいつまでたっても荷物が送られてこない。
これは,インターネット上でなく,日常生活においても起こりうる詐欺ではあります。
インターネット上の通販やオークションなどの場合であっても,相手方の口座情報などから,相手を特定することは可能な場合があります。
しかし,相手を見知っている場合と違い,特定の難易度は上がります。
相手が信用に足るかどうかを判断できるかどうかが問題です。
例えば,相手がちゃんとした通販事業者の場合,必ず特定商取引法に関する表示があるはずです。
また,連絡先がきちんと明記されているかどうか,なども重要なチェックポイントです。
インターネット・オークションの個人売買の場合には,信用性の判断はかなり難しくなります。
オークションの事業提供者により,トラブルへの対応手段が用意されている場合もありますが,多くは警察介入後の対応であり,あまり期待できません。
▼ ワンクリック詐欺
アダルトサイトの広告をクリックしたら,「登録ありがとうございます」などという表示とともに,数日以内に請求金額を支払うよう要求される,というようなことがあります。
広告をクリックしただけで,契約が成立するようなことはあり得ません。
この原則を知っていれば,明らかに詐欺だと分かるのですが,それを知らずに引っかかってしまう人が多いのが現状です。
しかも,あわてて取り消そうとして,連絡先に連絡を取ってしまい,相手にかえって個人情報を渡してしまうような人もいます。
パソコンのIPアドレスや,携帯電話の個体識別番号から,個人情報が分かることはありませんので,クリックしただけでは,相手は,あなたの情報をほとんど何も持っていません。
これに対応することで,却って傷口を広げてしまうことが多いのが,ワンクリック詐欺の特徴です。
ワンクリック詐欺による請求画面に当たってしまった場合,焦らずに放っておくことが重要です。
▼ フィッシング詐欺
子供だましのようなワンクリック詐欺に比べて,深刻度も大きくなりやすいのがフィッシング詐欺です。
本物のウェブサービスを装ったメールなどで,偽のURLへ誘導し,クレジットカードの会員番号や,銀行預金口座のID,パスワードなどを獲得する,という方法で,被害者は,深刻な経済的損害を受けることになります。
フィッシングについては,本物のサイトがよく警告を発していますし,Webブラウザやウイルス対策ソフトも,偽URLのアクセスをブロックするように対策していることもあります。
しかし,対策としては万全ではありません。
フィッシング詐欺が疑われる主体に対して,IDやパスワードを提供してしまった場合には,すぐにIDの停止や,パスワード変更といった対応をとるべきでしょう。
被害にあってしまった後に,その回復を図ろうと思っても非常に困難です。
振り込め詐欺が様々なバリエーションを持って拡散しているように,インターネット上の詐欺も,どんどんバリエーションを代えて,次々と登場します。
このような詐欺に対して,技術的に理解して対策をとる,というのは一般の人には困難でしょう。
究極的には,ネット上でクレジットカード情報を一切登録しない,インターネット・バンキングは一切利用しない,といった事をすれば,被害は防げるでしょうが,多くの人にとっては,その利便性はもやは捨てられないものになっています。
そうであるならば,最低限の知識は持った上で,やはり,怪しい物には近寄らない,という自衛をするしかありません。
それでも被害にあってしまったときは,
警察
消費生活センター
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などに相談すると,何らかの解決方法があるかも知れません。
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