2014年5月2日金曜日

刑事手続の流れ

自分や家族が犯罪の被疑者になるなどという状況を,多くの人は考えていないと思います。

しかし,考えてみて下さい。
交通事故で人身事故を起こしてしまうこと。
ついかっとなって,相手を殴ってしまうこと。

普段,犯罪行為とは無縁な生活を送っていても,突然「犯罪者」のレッテルを貼られてしまうことはあるのです。

そして,全く身に覚えがないのに,犯人だとされてしまうこともあるのです。

なお,被疑者のことを,ほとんどのマスコミは容疑者と呼んでいますが,誤りです。

刑事手続は,
① 捜査段階
② 刑事裁判手続
からなります。

捜査は,被害届・告訴状の提出や,捜査官による現認などといった捜査の端緒によって開始されます。
そして,捜査段階で,必要があると判断された場合には,逮捕令状により逮捕されます。
(例外として令状の不要な現行犯逮捕などもあります。)
被疑者を逮捕する必要のない事件の場合には,在宅事件となります。

逮捕された事件は,48時間以内に検察官に送られた後,必要があれば24時間以内に勾留の手続が取られます。
勾留は検察官の請求により,勾留の要件が認められた場合に,裁判官が認めます。

在宅事件の場合は,時効以外の時間制限がありませんから,ゆっくりと手続が進むことになります。
しかし,勾留は10日間,延長すればさらに10日間の,最大20日しか認められません。
この期間の間に,検察官は,処分を決めます。
(あるいは処分を保留して,被疑者を釈放したうえ,在宅事件として捜査を進めます。)

検察官の処分とは,起訴(略式起訴),起訴猶予,処分保留釈放などといった内容になります。


捜査段階で,被疑者の側には何ができるのでしょうか。

○ 身柄解放に向けた弁護活動

○ 検察官の処分に向けた弁護活動

○ 在宅事件の場合


被疑者は起訴されると,被告人という立場になります。
被告人のことを,ほとんどのマスコミは被告と呼んでいますが,誤りです。

刑事裁判手続中は,起訴された際に勾留がされていた場合には,自動的に勾留がついてしまいます。
刑事裁判までの勾留期間にも制限は一応ありますが,何度でも更新可能ですので,身柄拘束がずっと続いてしまうことになります。

そして刑事裁判の決着がつくのは,場合によっては何年も先,ということもあるのです。

刑事裁判手続き中に,被告人の側には何が出来るのでしょうか。

○ 身柄解放に向けた弁護活動

○ 判決に向けた弁護活動


捜査段階,刑事裁判段階を通じ,弁護人として活動できるのは弁護士だけです。

現在,在宅で捜査を受けている,という人は,弁護士に相談した方が良いかも知れません。

家族が突然逮捕されてしまった,という人は,弁護士に相談することを考えて下さい。

国選弁護という制度はありますが,全ての刑事弁護が国選弁護制度でカバーされているわけではありません。




摂津市,吹田市,茨木市,高槻市,島本町で,刑事弁護に関するご相談は, 大阪北摂法律事務所まで。 もちろん他の地域からのご相談も受け付けています。 お気軽にどうぞ。