2014年3月28日金曜日

不当解雇されてしまったのですが裁判での解決まで,生活はどうすれば良いのですか。

労使問題で多いのが,解雇の問題です。
解雇された労働者は,その解雇が有効かどうかどうかを考えるでしょう。



そして,その解雇が不当な解雇だ,と考えた場合に,求める道は2通りあるでしょう。
① 会社に戻ることをあきらめ,金銭的な賠償を求めること。
② 解雇を撤回させて,元の会社に戻ること。

どちらにしても,解雇されてしまった労働者は,収入をたたれて,生活の危機に陥ってしまう可能性が出てきます。
解雇の有効性を,正式裁判までして争うには,かなりの時間が掛かります。
そのような時間をかけている間に,生活が成り立たないのでは,労働者は解雇の有効性を争うことが出来ません。

そこで,解雇されてしまった労働者は,裁判所に対して,地位保全の仮処分を申し立てる,という方法が考えられます(仮の地位を定める仮処分)。

保全の決定が認められると,労働者は,今まで通りの地位を仮に認められます。

使用者は,仮の地位を認められた労働者に対して,今までどおりの賃金を支払う必要がありますし,使用者がこれに従わなかった場合には,労働者は強制執行することも可能になります。

仮処分は,非公開で,労使双方を呼び出した審尋手続を行うのが通常です。


仮処分が認められるためには,労働者の請求が認められる可能性があることと,仮処分決定を出す必要性があることが要件となります。

仮処分手続の中でも,和解の交渉が可能です。
仮処分で地位保全が認められると,本案においても解雇無効が認められる可能性が高まりますので,担当裁判官の心証を踏まえた和解勧告は,それなりに意味があります。

よって,前述の① 会社に戻ることはあきらめて金銭的解決を求めるだけの労働者にとっても,地位保全の仮処分を申し立てる意味はあると言えます。

民事保全手続には,通常,かなりの担保金が必要となりますが,解雇無効を前提とした仮の地位を定める仮処分に担保金は不要です。

地位保全の仮処分は,配転命令や出向命令の有効性を争う場合にも,利用可能な場合があります。



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