2014年3月19日水曜日

遺言の種類を教えて下さい

遺言には,一般的には,自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言の三種類があります。



1 自筆証書遺言

自筆証書遺言は,最も簡単に作れる遺言です。
ただし,要式を備えていなければ,有効な遺言とは認められません。

有効な自筆証書遺言であるといえるためには,必ず全文を自筆で書く必要があります。
また,日付,氏名は必ず記載しなければならず,押印が必要です。
訂正についても,厳格な要件が定められています。
全て自筆であることが要求されるので,自筆で書くことができない人には選択することができません。

自筆証書遺言は,家庭裁判所における検認手続が必要です。
遺言書が封印されていた場合には,家庭裁判所での開封手続が必要となります。

自筆証書遺言は厳格な要件をクリアしなければ有効な遺言とはならないものの,遺言の内容はもとより,遺言があること自体も秘密にできるというメリットがあります。


2 公正証書遺言

公正証書遺言は,(1)証人2人の立ち会いの下,(2)遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し,(3)公証人が口授された内容を筆記したうえで,遺言者及び証人に確認させ,(4)遺言者及び証人が署名押印し,(5)公証人が以上を確認した上で署名押印する,という方法により成立する遺言です。

公正証書遺言の原本は,公証役場で保管されますので,紛失等による心配はありません。
また,公証人が作成するため,遺言が無効になることは,ほとんどありません。
さらに,遺言の実行のために,裁判所での検認手続は必要ありません。

公正証書遺言の作成には,手続に費用がかかること,証人は推定相続人や受遺者等の利害関係人がなることは出来ないことなどから,一定の煩雑さはあります。


3 秘密証書遺言

秘密証書遺言は,遺言の内容を秘密にしつつ,遺言の存在自体は証明することのできる遺言です。
公証人により,遺言の内容が確認されるわけではないため,遺言の有効性が担保されるわけではありません。
また,遺言の実行には,裁判所における封印の開封と,検認手続が必要です。
遺言は,自筆でもワープロ書きでも構いませんが,秘密証書遺言の形式を欠いた時に,自筆証書遺言として有効性を認められるためには,自筆でなければならないので,自筆の方が良いでしょう。

いずれにしても,秘密証書遺言は,おすすめできません。


4 特殊な遺言

これら三種類の遺言以外に,危急時遺言隔絶地遺言があります。

危急時遺言は,死期が迫り署名押印できない遺言者が,口頭で遺言をし,証人がそれを書面化する遺言の方法です。
一般危急時遺言には,証人が3名必要です。
また,遺言の日から20日以内に,証人などが家庭裁判所に請求して,遺言の確認を得る必要があります。

危急時遺言には,船舶の遭難時という特殊な場合を想定した船舶遭難者遺言というものも存在します。

危急時遺言をした遺言者が,普通方式にて遺言ができるようになってから6か月生存すると,危急時遺言は無効となります。


隔絶地遺言とは,遺言者が一般社会との交通が断たれた場所にいるため,普通方式による遺言ができない場合に認められる方式で,伝染病隔離者遺言と,在船者遺言があります。

隔絶地遺言をした遺言者が,普通方式にて遺言ができるようになってから6か月生存すると,隔絶地遺言は無効となります。



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