2014年9月3日水曜日

遺言の検認手続とは

自筆証書遺言については,それを持っているだけでは,遺言書に従った遺産の分配はできません。

家庭裁判所での「検認」の手続が必要になります。



自筆証書遺言の中には,「封印」されている遺言もあります。
その場合には,検認の前に封印を解いてはいけません。
※ただし,封印が開封されていても遺言書の有効性に影響はありません。封印のある遺言書を開封した者は,5万円以下の過料に処せられます(民法1005条)。

家庭裁判所に検認の手続を申し立てること自体は簡単です。
検認は,遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が,請求することができます。

検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
(したがって,検認により遺言の有効・無効が判断されるわけではありません。)

検認を申し立てるに当たっては,手続費用(印紙800円,その他郵送用の切手),遺言者の相続関係を調べる必要があります。
遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
相続人全員の戸籍謄本
が必要になります。

また,相続人が誰であるかによって,必要な戸籍謄本の範囲も代わってくるため,かなり面倒な手続になります。
特に,単に遺言書を預かっているだけの人などは,戸籍集めは,事実上不可能に近いでしょう。

検認の申立を行うと,検認の期日が決まります。
検認の期日は,相続人全員に伝えられ,相続人は手続に立ち会うことができます。
相続人は,立ち会う義務はありません。

検認期日には,出席者の立ち会いのもと,封印を開封して,遺言書を検認します。

検認が終わると,遺言書に検認済み証明書を付けてもらい,これで,遺言は執行可能になります。

遺言書を発見した場合にも,慌てて開封したりせず,どういった手続をとる必要があるのか,専門家に相談するようにしましょう。




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