2014年9月2日火曜日

信用情報の開示手続について

債務整理をしたいけれども,どこにどのような借入れがあったかはっきりしない,という場合は,実はそれほど珍しいものではありません。



例えば,多重債務状態になっていた人の場合,そのときはどこに返す必要があるのかは分かっていたでしょうが,その後におまとめローンなどを利用して,多くの債権者の債務をゼロにしてしまった後には,どこと取引があったかどうかを覚えていない,ということもあります。
また,返済をストップしてしまったところがあるけれども,思い出せない,ということもあります。

過去に取引のあった業者は,過払金請求ができる可能性はあります。
また,破産手続等を行う時には,知れたる債権者は自己申告する必要がありますので,可能な限りどこに借入れを行っていたかを調べる必要があります。

そのような場合,どうしたら貸し主を特定すれば良いのでしょうか。

何らかの証拠が手元に残っていない場合には,まずは記憶に頼らざるを得ません。
記憶から各業者に問い合わせて取引履歴の開示を受けるということも可能です。
しかし,契約時に業者に登録された情報が,現在の情報と一致しているとは限らず,その場合は該当なしとなってしまいます。
そのような場合も,旧住所等の情報から,特定できることもあるのですが,限度があります。
第一,記憶だけだと,業者の漏れがある可能性があります。

そこで,最終的には,信用情報機関への開示手続が考えられます。
信用情報機関には次のようなものがあります。

JICC 株式会社日本信用情報機構
CIC 株式会社CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)
JBA 一般社団法人全国銀行協会

信用情報機関は,顧客と金融業者等の個別契約における顧客の同意に基づいて,信用情報を一元管理している期間です。
そして,会員である会社からの,信用情報照会に応じて,これを提供することを主な業務としています。

いわゆるブラックリストにのる,というのは,この信用情報機関に対して事故情報が登録されることです。
その事故情報を,会員会社が照会により知ることで,貸付の審査に通りにくくなる,ということです。

さて,これらの信用情報機関の違いはなんでしょうか。

JICCは,消費者金融
CICは,信販会社(クレジット会社)
JBAは,銀行
が主な会員となっていますが,重複して会員になっていることもあります。
(ただし,JBAは銀行しか会員になれません。)
よって,ある消費者金融に対する支払いを滞納したために,事故情報としてJICCに登録されたために,銀行に住宅ローンの審査を申し込んでも通らない,ということが起こりうるのです。

これらの信用情報機関には,顧客からも自分の登録情報を問い合わせることができます。
そして,登録されている情報の開示を受けることで,自分がどこと取引があったのか,とか,現在どこに対して借入があるのかを知ることができるのです。

もっとも,登録情報の保存期間には制限があるため,あまりにも古い情報を得ることはできません。
したがって,証拠を残しておくことに越したことはありません。


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