取引先のA社が倒産するというのですが、私の売掛金はどうなってしまうのでしょうか。
よく受けることのある質問です。
倒産すると売掛金を回収することは不可能なのでしょうか。
そうとも限りませんが,満額を回収することはかなり難しいことが多いのは事実です。
いずれにせよ,まず「倒産」という言葉だけでは,A社がどのような状態にあるのかははっきりと分かりません。
そのため,まず,A社がどのような状態にあるのかを確認する必要があります。
裁判所での手続が行われる法的な倒産手続には,破産,民事再生などをはじめとした諸手続があります。
また,裁判所での手続外の倒産手続も考えられます。
実際には,これらの手続を予定しておらず,ただ支払いを止めている状態を倒産状態だと言っているだけかもしれません。
また,法的な倒産手続といっても,その準備に入ったところなのか,それとも手続が裁判所に申し立てられたのか,さらにその手続について「開始決定」が出たのか・・・といったいろいろな段階が考えられます。
通常は,倒産の準備に入る段階で,弁護士からの支払停止の通知を兼ねた受任通知が,各債権者に送られます。
(時間的に余裕がないような場合は,直接裁判所に申立てを行い,後から債権者への説明がなされるようなケースもあります。)
倒産手続中には,担保権を持つ債権者などの例外を除いて,抜け駆け的に債権回収をはかることは許されません。
ただし,受任通知が送られたからと行って,最終的にその会社が法的倒産手続に入るとも限りません。
実際に法的な手続が開始された場合には,手続にのっとった配当から,債権の回収を行います。
通常は,配当率にしたがった一定の回収にとどまるでしょう。
残念ながら,配当がゼロというケースもよくあります。
しかし,弁護士からの受任通知等が発送されずただ返済を怠っているだけで,法的に支払停止あるいは債務超過といった状態にあることが,債権者から見えないようなケースでは,債権回収を早々にあきらめる必要はありません。
また,倒産手続の中で,会社が財産隠し等の不正行為を行っていることを指摘できれば,配当は増える可能性もあります。
さらには,会社が倒産手続に入り,債権の十分な回収ができなくなった場合であっても,役員の責任を追及して回収できる可能性もわずかながら存在します。
手続が淡々と進んでいくのを待つことがベストの対応なのかどうかは,慎重に見極める必要があります。
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